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わたしの好きな言葉は、半そで半ズボン

 いままでに何度も述べていることなので、「耳にタコができそうになってしまって気が気でない」という方もいらっしゃるだろうが、厚かましくももう一度ここで述べさせていただきたい。わたしは冬が大嫌いなのである。
 冬が到来すると、冬がもたらす寒さの現実から逃れようと、わたしの心は南国を夢想し始める。心のなかはソテツだらけになって、心の指はバナナをむき始める。心の尻は、青々と茂った雑草の上だ。心の目はビキニを捉えている。

 しかしどのような空想に耽ったところで、しょせん空想は空想に過ぎない。空想は弱い。ついに打ち勝つのは現実のほうであり、現実のまえに空想は、ババアの乳房のようにしぼみきってしまう。見ていられない。

 宮崎に行ったのである。現実はすばらしい! 心の外にソテツが、並んで生えている。心の指は萎え細り、現実の力強い指でバナナをむきたくなってくる。寝転ぶのにうってつけな雑草。ビキニは残念ながら見えないが・・・・。

 知り合いの茶園では、茶の成長を妨げるカズラを抜いて回った。茶の成長を助けた。
 知り合いのギャラリーでは、木彫りをし、豚汁を食い、仲間たちと心ゆくまでのんびりした。
 コテージでは、ふらふらになるまで、仲間たちとともにビールを飲んだ。
 ナントカ神社で、運玉という飴玉ぐらいの大きさの素焼きの玉を投げた。奇岩の上に置いてある縄の円のなかに入れば願いが叶うというのである。縄の円のなかに、わたしの投げた運玉はきれいに収まった。だいたいの願いは叶ってしまっている気がなぜだかそのときはしたので、何も願わなかった。今になって後悔している。それからこの神社では、「お乳飴」という飴玉を食べた。否、食べたというよりは、しゃぶったというほうが当たっている。男のお乳に対する情熱は、お乳を吸っていた赤ん坊の頃からずっと変わらないものなのである。
 城も観た。土曜日だというのに閑散としていてお客さんは少ない。閑古鳥が鳴いている。今にも落城しそうである。病んだ人やつぶれそうな店や迷子などを心配したことはあるが、城を心配したのは初めてのことである。
 それから吊り橋も渡った。わたしは三十六歳なので、高いところがあまり怖くない。昔は高いところが苦手だったのだが。三十六歳未満の人たちに言いたい。三十六歳という年齢は、案外すごい。

 なぜなのか自分ではよくわからないのだけど、昔からわたしは、しょっちゅう人に写真を撮られる。今回の旅でも、みんなに写真を撮られまくったのである。カメラのまえで生き生きしたポーズをとる度に魂を抜き取られたが、宮崎への旅はそれに代わる新しい力をわたしにくれた。南はいい。
 


 
 

 

 

 


 

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2009.12.04 | Comments(0) | Trackback(0) | 今日のMASARU

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